2019年度 勉強会

第1回 2019年2月12日 テーマ『隣接する農地(市街地農地)及び雑種地(宅地と状況類似地域)について併せて一団の土地として評価すべきか別々に評価すべきか争われた事例』

 

今回は、財産評価基本通達7(土地の評価上の区分)について、特にその例外規定①ただし書き部分と②なお書き部分について検討し解説いたしました。

市街地中心部から少し離れた地域では、現況地目が混在(市街地農地、雑種地など)または隣接利用されているところが多数あります。本通達の判定基準については、確定していない部分が多いと思われ、特に各地域における標準的画地の規模・用途について明確な基準が出されていないところに問題の本質があるようです。

裁決書_東裁(諸)平28第134号(評価単位).pdf
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財産評価基本通達7(土地の評価上の区分).pdf
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20190212勉強会補助レジュメ_final.pdf
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第2回 2019年4月16日 テーマ『被相続人が借入をして購入した1棟マンション2棟について、相続により取得した審査請求人が財産評価基本通達に基づき評価して相続税の申告をしたところ、原処分庁が当該不動産の

  価額は、評価通達の定めによって評価することが著しく不適当として、不動産鑑定評価額により相続税の各更正

  処分等をしたのに対し、請求人らがその処分の全部の取消しを求めた事案』

 

今回は、納税者側が相続した2棟のマンションの評価について原則通り財産評価基本通達に基づき評価をしたところ、これに対し税務署側が財産評価基本通達6項(この通達の定めによって評価することが"著しく不適当"と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する)を適用して、不動産鑑定評価額により各更正処分を行いました。

しかしながら、同通達6項に定める「著しく不適当と認められる」場合の具体的内容や事例が示されていないため、同項の意義・内容は様々に解釈される余地を残しているのが現状です。

そこで、今回は、①本件のような事例は、一般にはあたりまえのように行われているにもかかわらず、なぜ、本件は否認されたのか。②また、その主な理由は何か、などについて検討し解説いたしました。

裁決書 札裁(諸)平28第15号_H29.5.23.pdf
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20190416勉強会補助レジュメ_final.pdf
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第3回 2019年7月16日 テーマ『国税庁タックスアンサーno.4617「利用価値が著しく低下している宅地の評価」で採用される▲10%の適用の可否について争われた事例

 

今回は、国税庁ホームページ内にあるタックスアンサーで公表されているQ&Aのうち「no.4617利用価値が著しく低下している宅地の評価」を取り上げました。例えば、高低差、地盤に甚だしい凹凸、振動、騒音、日照阻害など、その付近にある宅地に比して著しく利用価値が低下していると認められるものの価額は、その宅地について利用価値が低下していないものとして評価した場合の価額から、利用価値が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することができます。

しかしながら、上記のように状況の例示はされているものの、個別具体的な内容の説明や例示(ex.高さ、距離、範囲、立体図、写真、その他数値など)、また判断基準が示されていないため、評価実務上は、個別の案件毎にさまざまに解釈される余地を残しているのが現状です。

そこで、今回は各事例を検討することにより、その傾向と実務上のポイントについて解説いたしました。

東裁(諸)平29第34号(H29.9.5).pdf
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20190716勉強会補助レジュメ_final.pdf
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第4回 2019年9月17日 テーマ『土地の取得費が不明な場合に、当該取得費を市街地価格指数により推計する方法を適用して認容されたH12裁決事例と棄却されたH26裁決事例の検討

 

土地の取得費が不明な場合に、不動産売買の実務上一般的に用いられている概算取得費5%を適用すると納税額が過大になってしまうことが少なくありません。その場合に、市街地価格指数(一財 日本不動産研究所が公表)により取得費を推計する方法が用いられることがあります。これは、H12.11.16裁決(大阪国税不服審判所)での原処分庁の主張が認容された事例が論拠になっていると思われます。しかし、その後H26.3.4裁決(東京国税不服審判所)では、請求人らが同様に市街地価格指数により推計する方法を用いたところ、これが棄却されました。

 

そこで、今回は両事例を比較検討しながら、今後実務上どう対応していけばいいのか、について解説いたしました。

H120026裁決書(抄).pdf
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東裁(所)平25第91号(H26.3.4)土地の取得費.pdf
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20190917勉強会補助レジュメ_final.pdf
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第5回 2019年11月19日 テーマ『ガソリンスタンド等の敷地について「土壌汚染地としての減価要因(市場性の減退に伴う減価相当額及び地下タンクの除去費用)を斟酌(減価)することの可否について」争われたH28裁決

  事例の検討

一般的に土壌汚染が関係する不動産というと、大規模な工場跡地等を連想しがちだと思います。しかし、現実には本件のようなガソリンスタンド、クリーニング店、自動車修理工場、●●医院、など規模の大小に関係なく、意外と身近に存在します。

また、本件のように単に相続案件ということではなく、相続と密接に関係のある"事業承継"(≒株価の算定)において不動産の評価が必要とされる場面も多くあります。

 

そこで、今回は土壌汚染についての法令等を整理したうえ、時価評価を行う場合にどのような考え方に基づいて行ったらいいのか。そして、今後実務上どう対応していけばいいのか、について検討と解説を行いました。

裁決書(東裁(諸)平28第1号 H28.7.4).pdf
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土壌汚染地の評価の考え方について(H16.7.5資産評価企画官情報3号).pdf
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20191119勉強会補助レジュメ_final.pdf
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