2021年度 勉強会
第1回 2021年2月9日 テーマ『「青地(旧水路)」により分断されている2つの土地について、その評価単位及び評価方法」について争われた事例』の検討
今回は、「青地(旧水路)」により分断されている2つの土地について、その評価単位及び評価方法が争われた事例を検討いたしました。
青地や赤道などの法定外公共物が介在する土地については、実務上もしばしば見受けられます。税務評価での場合と、売買などでの時価評価の場面とで取扱いに異なる点があるのか。また、注意するポイントは何かについて検討し解説を行いました。
第2回 2021年4月20日 テーマ『審査請求人が相続した土地(現況:パチンコ店及びその駐車場)について、借地権が存するか否か(底地/貸宅地として評価するか否か)」について争われた事例』の検討
今回は、パチンコ店及びその駐車場として賃貸に供されている土地について、借地借家法上の借地権の存否、その評価方法等が争われた事例を検討いたしました。その結果、実務上注意すべきポイントとして、以下の各事項を挙げることにいたしました。
①借地借家法上の借地権でいう「建物の所有を目的とする」については、当該建物の建築及び所有が借地使用の主たる目的であること。
②『当該借地権の及ぶ範囲はどこまでなのか』については、ⅰ法令等による敷地と建物の一体利用の要請、ⅱ実状を考慮のうえ判断すること。
③賃借人が行った投下資本の回収必要性と相当性について検討が必要である。
第3回 2021年7月20日 テーマ『2017年に発生した積水ハウス㈱分譲マンション用地取引事故」について
の検討
今回は、2017年に積水ハウス㈱が詐欺被害にあった分譲マンション用地取引事故(被害額約55億6000万円)について、2017年12月7日付積水ハウス㈱総括検証委員会発行の「総括検証報告書[公表版]」の内容を中心に検証を行いました。
日本有数の不動産会社がなぜ"地面師"による詐欺被害にあったのか。そして、われわれが今後も不動産ビジネスに関わっていくなかで、実務上注意するポイントは何か等について以下の点について考察いたしました。
①当時の不動産取引市場を取り巻く背景(なぜ積水ハウス㈱は「買い進み」となったのか)
②地面師グループの「極めて巧妙かつ計画的」な行動の具体内容
・本件取引スキーム(第三者のためにする契約+他人物売買(旧中間省略登記))について
・本人確認書類及びその準備方法等
③なぜ詐欺だとわかったのか「不正登記防止申出制度」
④取引事故から現在(なぜ他社は真の所有者から購入できたのか)
第4回 2021年9月21日 テーマ『2020年4月1日に施行された配偶者居住権」についての検討(その2)
今回は、2020年4月1日に施行された配偶者居住権及び配偶者居住権が付着した土地建物の評価についての検討(その2)
前回(2020.4.21)の情報をアップデートし整理いたしました。
(論点)
①前回の振り返り(意義ほか)と、直近の配偶者居住権の登記状況
②配偶者居住権及び配偶者居住権が付着した土地建物の評価等について
③競売における配偶者居住権等の評価方法について
④遺産分割事件における配偶者居住権等の評価方法について
⑤補償における配偶者居住権等の不動産評価
第5回 2021年12月7日 テーマ『今後の都市農地について」の検討
(~どうなった?生産緑地の2022年問題など~)
今回は、今後の都市農地について検討いたしました。
国の施策方針としては、「農地と宅地の共存を図る」方向のようです。これを、今後の実務に照らして検討いたしました。
(論点)
①どうなった?生産緑地の2022年問題、特定生産緑地とは
②農地の区分について(都市計画法の区分、農振法など)、田園住居地域とは
③今後の都市農地の利用について、農地の貸借について、いわゆる都市農地貸借法について
④農地の評価(耕作権を含む)について、財産評価基本通達等による評価方法について